「風林火山」の旗印を掲げ、最強の騎馬軍団を率いた武田信玄。
天下統一の野心を胸に混迷の戦国時代を戦い抜いた男の生涯を描く。
宿命のライバル・上杉謙信と繰り広げた「川中島の決戦」は壮大なスケール。
【収録内容】 ■第29回 『勝利と敗北』 川中島の合戦は、多くの兵を失う悲しい勝ち戦となった。
戦場での勝手な行動を戒められた嫡男・義信は、信玄に強く反発した。
そんな中、上杉政虎の配下を関東から追い出そうとする北条氏康は、信玄に西上野への出陣要請をする。
■第30回 『義信事件(一)』 家臣らを伴い湯治に赴いた信玄は、わが身に忍び寄る病を感じていた。
一方、三条の方の傅役・八重は信玄に反抗して事を荒げる義信を守り、武田の家督を継がせるために、信玄が一目置く諏訪四郎勝頼の命を奪い去ろうと画策する。
■第31回 『義信事件(二)』 信玄は、遂に西に目を向け、駿河攻撃を決意。
しかし、義信は妻の実家、今川を攻めることに反発し信玄と激しく口論する。
追いつめられた義信は、正義のため父・信玄の命を奪うしかないと、密かに傅役の飯富虎昌に決起を求めた。
■第32回 『わが子幽閉』 飯富虎昌は死をもって義信を戒めようと事を図る。
夜討ちに失敗し捕らえられた虎昌は、最後まで義信をかばって切腹して果てる。
家臣らの報告で事の次第を把握した信玄は、己の不甲斐なさを嘆きつつ、義信を東光寺に幽閉した。
■第33回 『鬼美濃の死』 諏訪勝頼と織田信長の養女・雪姫の婚儀がきまる。
そんな中、原虎胤は飯富虎昌の霊前に参り遠い昔を思い浮かべた。
その帰途、信州志賀城の残党と斬り合いとなりこの世を去った。
鬼美濃・虎胤は死場を求めていたのであった。
■第34回 『上州攻め』 信玄は勝頼を伴って、西上野の箕輪城へ出兵した。
勝頼は初陣を飾るべく先陣をつとめた。
勝頼の機転をきかせた戦略と活躍で、武田軍は西上野を制圧する。
その頃、今川の寿桂尼は、甲斐への塩止めを行い信玄に対抗しようとする。
■第35回 『盟約崩壊』 嫡男・義信が自刃した。
信玄は織田信長との関係を深める一方で、義信の正室・於津禰を今川に戻し、駿河との縁を切った。
信玄は弁明の使者を相模に送るが、北条氏康は、十年に渡る三国同盟を破った信玄と敵対することを決意した。
■第36回 『信長上洛』 徳川家康は、信玄に懐柔する一方で上洛への機会をうかがっていた。
そんな折、足利義昭が信長に助けを求めて美濃にやって来た。
信長はこの機を逃さず、義昭の警護を装って上洛を果し、義昭を十五代将軍の座につけることに成功する。
■第37回 『駿河攻め』 越後の輝虎は「領民を苦しめる塩止めは出来ぬ」と、甲斐へ塩を送り続けた。
信玄は、「此度の戦、狙いは駿河にあらず。
その狙いは、織田信長じゃ」と家臣たちに告げた。
今川義元亡き後、氏真が国主となった駿河は力を失墜していた。
■第38回 『小田原攻め』 駿府城を落とした信玄は、南の海と安倍金山を手に入れた。
しかし勢力の建て直しを図るため、甲斐へ兵を一端退いた。
そして小田原に陣を向け、城下に火を放ち、小田原城の前に四日も居座った後、城を攻めることなく陣を退いた。
■第39回 『京の夢』 北条の追撃を逃れ、三増峠を越えた武田軍を迎えたのは、底冷えする雪であった。
甲府に戻った信玄に、信長の傲慢な態度に不満を抱いた将軍・足利義昭から力添えを求める書状が届いた。
信玄は京を夢み、わが身に鞭打ち上洛を急いだ。
■第40回 『暗闇の鬼』 病の床で義信の名を呼ぶ三条の方の恨みを晴らそうとする八重。
広まる「信玄、病」の噂。
そんな中、信玄は、再び駿府城を取り戻した。
その頃、北条氏康が心労で倒れた。
そして深夜に勝頼が襲われる。
信玄の駿河平定は急務であった。
■第41回 『月夜の鏡』 信玄は、命を狙われた勝頼の安全を考え、高遠城へ戻らせた。
そして八重を閉じ込めるよう命じた。
月の明りに照らされ、鏡に映った醜くやつれたわが姿に慄く三条の方を、信玄は「醜いのは病、そなたではない」と、優しく抱きしめた。
■第42回 『二重の死』 公家の三条家から見舞いが訪れた。
床をあげ拝謁の挨拶に現われた三条の方は、その場で倒れ、静かに息を引き取った。
信玄は、三条の方の死に免じて八重の罪を許し、京へ戻るよう沙汰を下した。
しかし八重は、後を追って自害する。
■第43回 『八千年の春』 信玄は武田の将来を考え、諏訪の勝頼を躑躅ヶ崎館に迎えるよう家臣に命じた。
そんな中、将軍家から「直ちに京へ上れ」という勅命を伝える使者が訪れた。
京へ上る準備に入った信玄は、冬の月を眺めながめ、万物の悠久に心を馳せた。
■第44回 『氏康の挽歌』 信濃への出陣を渋る上杉輝虎の対応に北条氏政は激怒した。
そんな氏政を見て、相模の行く末を案じた北条氏康は、密かに信玄との和睦を図る。
そして氏政に甲斐との和睦を促し、倹約を旨としたわが人生を振り返りつつこの世を去った。
■第45回 『京への道』 北条氏康の死で新たな和睦が成る。
今川は滅び、北条に背後を突かれる恐れも消えた。
信玄は、まず徳川家康の攻略が上洛への近道と判断。
軍議の席で家臣たちは次々に京への道筋を提案。
一方、織田信長は信玄上洛を封じようとする。
■第46回 『最後の出陣』 上杉謙信が西上野へ動いた。
信玄は北条の応援要請に応え碓氷峠を越えた。
織田信長は「信玄、越後へ出陣」の知らせに、浅井、朝倉攻撃を強めた。
元亀三年(1572)十月三日、遂に信玄は二万五千の軍勢を率いて京の都を目指した。
■第47回 『三方ヶ原の戦い』 難攻不落の二俣城を落とした武田軍は、徳川家康が指揮する軍勢と三方ヶ原で激突。
戦いは真夜中まで続き、総崩れとなった徳川勢は闇の中を逃げ惑い、家康も浜松城に逃げ込む。
信玄は浜松城を攻める一方で、尾張の岩村城を落とした。
■第48回 『信玄倒れる』 三方ヶ原の大勝利で、信玄の前に、もはや敵なしと誰もが思っていた。
ところが信玄の様態が悪化。
弟・信廉が影武者となって本陣に座った。
そして三河・野田城を包囲する。
しかし野田城攻略は長引き、その間に病が信玄を蝕んだ。
■第49回 『幻の都』 もはや信玄は自力で立つこともできない。
野田城を落とした武田軍は信玄を気遣い、北の長篠城へ退いた。
その空きに織田信長は素早く近江を平定し、将軍・義昭を包囲した。
信廉は「もはや、これまで」と、京を目前に兵を甲斐に退いた。
■第50回 『神々のたそがれ』(最終回) 死期を悟った信玄は、わが死を三年の間秘めて、三年の間に新たなる甲斐をつくり守りを固めるよう告げた。
そして「甲斐に光を…」と、大きく眼を見開いたまま死んだ。
家督を勝頼が継ぐが、すでに武田家は滅亡へと動き出していた。
【出演】 中井貴一、柴田恭兵、紺野美沙子、大地真央、南野陽子、石橋 凌、池上季実子、村上弘明、宍戸 錠、中村勘九郎(十八代目 中村勘三郎)、杉良太郎、平幹二朗、小川真由美、菅原文太、西田敏行 ほか 【語り】 若尾文子 原作:新田次郎 「武田信玄」 脚本:田向正健 音楽:山本直純 ○1988年 放送 *DVD6枚組 *収録時間計972分/カラー ※この作品の映像は、放送当時のものを使用しているため、他の作品とは画質が異なります。
予めご了承ください。